活字(幕末)

「彰義隊」 吉村 昭 朝日新聞社 1890円 主人公・輪王寺宮能久 徳川幕府の菩提寺・寛永寺の山主でやがて彰義隊蜂起時の盟主。 幼少時から上野寛永寺で過ごしたため江戸へ思い入れが強くなり、 嘆願も受け入れない有栖川宮熾仁親王に反感を覚えだす。 そし…

「王城の護衛者」 司馬 遼太郎 講談社 590円 司馬先生の幕末短編集。 人選は松平容保・玉松操・村田蔵六・河井継之助・岡田以蔵。 このうち村田、というか大村益次郎と河井に関しては長編の方が ずーっとお勧め。短編では河井の魅力は語りきれない! って…

「坂本龍馬は新撰組だった! 」 赤司 典弘 こういう釣りタイトルは非常に嫌だ。 人気のある人物だけに龍馬はとても多くて、もう仕方ないんだけど悔しい。 と言いながらもぱらぱら読んじゃうのがオタクたる所以だし。貶しつつも本は 読んでる時点で全面的に負…

「抵抗の器」 もりた なるお 文芸春秋 1260円 主人公・山田顕義。でもここでは市ィと呼びます。 いえ舞台は明らかに市ィ時代ではないけど。 岩倉使節団の随行員としての外遊から帰ってから西南の没まで。 明治6年から明治10年までのほんの4年間だけど、…

「殺生石」 富樫倫太郎 光文社 1359円 箱館戦を舞台にした半パラレルファンタジー。 富樫さんの蝦夷政府3部作の第2弾。第1弾は「箱館売ります」 土方はいつのまにか巻き込まれました型で参加。 メインストーリーは封印された妖怪を甦らせたい『伯爵』…

「風よ聞け 雲の巻」 北原 亞以子 講談社 489円 主人公・伊庭八郎……のハズ。 でも伊庭は脇役なみの登場率と会話しかない…。くそぅ。 鳥羽・伏見終結から彰義隊壊滅までの4ヶ月間の江戸が舞台。 オリキャラの千遠という伊庭の幼馴染と、おなじみ稲本楼の …

8月20日は高杉晋作の誕生日。当日は心の内でお祝いでした。 なので高杉本を。一坂先生によるウィキ的な一冊。 高杉の一生を余すとこなく追いかける史料集ですが図解が 多々あるし、対象の高杉の人生自体がネタ溢れるものなので 小説仕立てじゃないくても存分…

「地図で読む江戸時代」 山下和正 柏書房 15750円 変わり種、地図モノ。 でかい・分厚い・重いという三重苦なので図書館なので閲覧推奨。 江戸時代でよくぞここまで、と感心するほど綿密かつ綺麗な地図ばかり。 しかも有名ドコロが編纂したものから大きな町…

「新撰組捕物帖 源さんの事件簿」 秋山 香乃 河出書房新社 1890円 京都新選組で隙間的に起きたちょっと不可解な事件の数々。 主人公6番隊組長井上源三郎がそれらに首を突っ込む探偵役。 事件としては色恋・恨みの私的なものばかり。 源さん主役だけあって義…

「伊庭八郎」 野村 敏雄 PHP文庫 649円 主人公・伊庭八郎。 イバ八はまんまなタイトルの本が何冊かあるので どなたのが既読でどれが未読か判らなくなる。 「幕末遊撃隊」よりも人間味溢れ、年齢に相応しい心内を語ってくれる。 こちらでは本山・人見もしっか…

「密航留学生たちの明治維新 井上馨と幕末藩士」 犬塚 孝明 NHKブックス 1071円 タイトル長ぇよ…っ。 てのは置いといて、井上馨(聞多)を主軸にいわゆる「長州ファイブ」の面々がいる。 小説ではないが大変読みやすい。 西欧に渡ってからそれぞれが何処へ寄…

「草莽枯れ行く」 北方 謙三 集英社文庫 999円 るろうに剣心をご存知の方ならお馴染みの相良総三の本。 幕末の志士らしく日本を憂い、立ち上がりそれなりに顔繋ぎも した上で倒幕派として兵を率いた有能な男。 結果は周知の通り、偽官軍の汚名の果ての処…

「SIDOOH-士道 13」 高橋ツトム 高杉負けた…! という衝撃は実はそんなないです。そうだろうな、と。 史実高杉に関しちゃ剣術の強さとか不敗を求めてないので。 むしろ翔太郎は負けらんないだろう場面です。 12巻では出ずっぱりだった高杉との行動が一段落…

「維新外交秘録神戸事件」 矢野 恒男 フォーラム・A 2100円 明治政府最初の外交問題である神戸事件の本。 タイトルまんまですがまさにその通りで余計な事件にはあまり 触れずとにかく神戸事件に対する当時の認識(予測)や生麦事件と は逆にフランスなどの要求…

「ものしり幕末王」 NINTENDO DS 発売中 この挑戦的タイトル(笑) やらずにいられようか!という訳でDS買います。 半年くらい前に「幕末のクイズゲームがDSで出るよ」とは 聞いていましたが、出てみればなんだかスケールのでかい…。 言っちゃあなんだか同人ゲ…

久々の高杉本。 小説仕立てと言えば言える。読みやすいです。 既知の事ばかりといってしまえばそれまでだけど、上海渡航に 重きをおいてるのでそれなりに楽しめるんじゃないかな。 情勢ばかりじゃなく風景描写もふんだん。 ただなぁ、やっぱり今イチ具像化し…

土方本の感想じゃないんですが、土方誕生日なので。 Yahooのニュースで見た方も多いと思いますが「幕末純情伝」 これの土方歳三役がカラテカの矢部ってどういう神経してんだ。 抜擢とかそういうレベルじゃねーですよ。話題作り? ま、つかこうへいだし、らし…

「五郎治殿御始末」 浅田 次郎 中公文庫 619円 突然の明治の到来に手探りながら様々な決断をしていく武士の話。 6編の短編集ですがとてもバランスがよい本です。 仇討ちがテーマだったり藩がテーマだったりと色んな切り口から 武士を襲った悲劇や不運や…

「幕末維新の暗号」 加治将一 祥伝社 1995円 幕末好きには有名なネタ写真。 タイトル見た時にはこういう闇の組織の暗躍的な話だとは 思っていませんでした。もっと、実際に当時使われていた 手紙に対するアレコレかなと期待してたのに。 「あやつられた…

「武士の家計簿」 磯田 道史 新潮社 714円 タイトルの勝利。 中身は家計簿を「何日にコレとコレを買って、こんな生活を〜」 という話の運びではなく、やや期待ハズレ。 著者が入手した加賀藩士の家の幕末から明治の約37年間の収支を 綴った文書を前提に…

「長州ファイブ」 ユキムラ ビーズログコミックス 651円 連載開始時は大興奮した覚えがあります。 ていうか漫画化を知ったのが萩博でもらったチラシ。 あの真っ黄色なペーパーは2枚もらってきて保存してます。 最初見た瞬間は聞多が高杉かと思った…。 ユ…

「伊藤博文 幕末青春児」 童門 冬ニ 集英社文庫(学陽書房のも) 1100円 歴史人物シリーズ俊輔編。 とにかく俊輔がエコ贔屓されてます。 幕末のあの事件もこの発想もみーんな俊輔発案!みたいになってる。 さすがにここまでくると「いや〜それはないっし…

「あやつられた竜馬」 加治 将一 祥伝社 1995円 坂本竜馬研究本…と言っていいのかな。 彼の活躍に英国のフリーメーソンメンバーが関与してたというトンデモ設定。 暗殺について衆知のように謎扱いされてる彼なのでこういう本も納得。 でもフリーメーソン…

久々に読んだので。 11巻出てたのに1ヶ月近く気付いてませんでした。 せっかく初の新選組メインの巻だったのに! 高橋先生の土方はやはり色男。さすが公式。 沖田もいい感じです。カワイイけど美少年じゃない。で、チビ。 台詞のせいかとてもおいしい役ドコ…

「敗者たちの幕末維新」 武光 誠 PHP文庫 539円 幕末が舞台の研究本、というより紹介本。 副題に「徳川を支えた13人の戦い」とある通り、幕閣達の 憂国の心と苦難の舞台を書いた一冊。 ごく薄い本に13編入ってることでも分かるけど、一人一人の 活…

土方歳三 修羅となりて北へ 岳 真也 学習研究社 1890円 鳥羽・伏見以降から箱舘戦争終結までを描いた土方本。 硬派で死を達観した土方です。 時系的に前作にあたる「近藤勇暗殺指令」とは一転した 心情描写より事実描写をメインにしてある。 近藤との道…

近藤勇暗殺指令 岳 真也 廣済堂出版 1890円 近藤勇本…ではなく架空の第3者を絡めた新撰組本。 新撰組と知己の染物職人が油小路の変を目撃してしまう。 見知っていた新撰組は気易く親しみやすい集団であったのに 元・同士の伊東暗殺現場に居合わせ、しか…

水曜日のNHK「その時歴史が動いた」が奇兵隊特集でした。 予告を見たときから楽しみにしていて携帯にアラームまで設置 していました(当日の朝に鳴るように) まぁそこまでしてもリアルタイムでは見ていないのですが。 スタジオゲストは青山 忠正さん。奇…

「美姫血戦 松前パン屋事始異聞」 富樫 倫太郎 実業之日本社 1700円 箱舘戦争本。 「箱舘売ります」「殺生石」と合わせて富樫倫太郎の箱舘戦争3部作。 副題が「松前パン屋事始異聞」だけあってメインは箱舘の中でも松前方面で 当然人見が出張ってきます…

「黒龍の柩 上下巻」 北方 謙三 幻冬社 (上)720円 (下)680円 土方本。 舞台は池田屋後から箱館戦終了まで。 山南好きにはぜひ読んで欲しい一冊。 切腹まではページを土方と二分する扱いです。 大変思慮深く、新選組内どころか勝や山岡と渡り合って時代…