土方歳三 修羅となりて北へ  岳 真也
  学習研究社      1890円


 鳥羽・伏見以降から箱舘戦争終結までを描いた土方本。


 硬派で死を達観した土方です。
 時系的に前作にあたる「近藤勇暗殺指令」とは一転した
 心情描写より事実描写をメインにしてある。
 近藤との道の違えや1人で死の向こう側を見る姿勢、そして
 箱舘戦・5月11日はばっちり土方独白で魅せます。



 
 会津あたりもちゃんと描かれてますが史実を綴りながらも
 新撰組に関してや日野時代・京都時代の土方たちについての
 予備知識がないとぽんぽん浮かぶ回想シーンや思い出に浸る
 独白なんかの感銘が受けづらいと思われます。


 戦闘に重きを置いてるのかな、という作品ですが土方は
 やはりめちゃめちゃカッコよい。それと野村も結構出張る。
 戦闘と言っても「土方歳三の鬼謀」みたいな作戦展開モノ
 じゃないので、そういうのが苦手な方でもお勧め!
 敢えて言うなら会話は少ないのでそこが物足りないって
 人もいるかもしれないかな。