久々の高杉本。
 小説仕立てと言えば言える。読みやすいです。


 既知の事ばかりといってしまえばそれまでだけど、上海渡航
 重きをおいてるのでそれなりに楽しめるんじゃないかな。
 情勢ばかりじゃなく風景描写もふんだん。
 ただなぁ、やっぱり今イチ具像化しにくい文体の描写だった。


 サブタイの「独歩登天の志を決す」通り、高杉の回天までの心
 持ちの機微や決意の固まり過程を丁寧に書いてるので、破天荒
 で天才型の高杉が好き!って方には受けないと思う。
 ある意味地味な本です。(高杉なのに)



 とてもスタンダードな高杉本だったけど久しぶりに彼が主役の
 本を(読み返しではなく)読んだので個人的には楽しめました。
 どうせなら萩に行く直前に読んでおけばよかったな。


 桂がやたら好意的なのも嬉しい。
 どうしてこう桂は本によって高杉への対応に差があるのか。
 常に好意的な周布さんとは大違いだな。