「維新外交秘録神戸事件」 矢野 恒男
  フォーラム・A      2100円



 明治政府最初の外交問題である神戸事件の本。
 タイトルまんまですがまさにその通りで余計な事件にはあまり
 触れずとにかく神戸事件に対する当時の認識(予測)や生麦事件
 は逆にフランスなどの要求を飲む形なった終結へのやや批判的
 な、切腹を命じられた滝へは同情的な見解です。


 個人的には明治政府における俊輔の地位確立の一歩的な事件だと
 思っております。負け戦ですが当時は外交に立てる人材がレア
 ですし、戊辰戦争の裏側も大変だったんだよ、て感じで。



 五代の活躍もちゃんと出てます。五代は長州勢と縁が深い。
 初めて神戸事件を知る人にも優しい解説になっていてお勧め。
 でもちょっと諸外国への目が厳しく「陰謀」めいて描かれてる
 ので偏見注意、てなところでしょうか。