「土方歳三」  大内 美予子
  新人物往来社  2100円


 江戸帰還後から箱舘戦終結直前までの土方本。
 土方一人称の情感描写が多い。女性らしいと言えば
 らしいのだけど、秋山先生や北原先生とは系統が違う。
 出版日が数十年前なので今の女性ファンの嗜好とは
 一線画した繊細さ。北上する土方を知るにはいい本。
 偏見が生まれづらい、というか…。



 大内先生の本と言えば沖田本な気もしますが、この本に
 関しては斎藤一が存在感ある!
 まぁ、会津戦が入ってくる本ではかなり斎藤が好ポジション
 を取ってくることがほぼ9割なのだけど、今回もそう。
 秋山さんの粋なイメージとはまた違うが好青年ぶりがグッド。


 近藤とはいきなり別離から始まるのだけど、それでもそこここに
 土方の近藤局長第一主義が見て取れる。