■
「SHIDO」 高橋 ツトム(現在9巻まで)
集英社 格680円
舞台が幕末の殺伐系シリアス漫画。
主人公の兄弟とその周辺こそ捏造だけど、史実人がわんさか。
ストーリーも場面場面は作ってあっても大筋は恐らく史実。
主人公の兄弟が巻き込まれるように攘夷思想を建前にした
人斬りを請負う怪しい新興宗教団体(に思える)の人斬り
部隊として幕末の動乱に身を投じる、というストーリー。
生き延びる過酷さを最初の1巻から嫌って程見せ付けられる。
志を持つより先にサバイバルの為人斬りにならざる負えない暗さ
を背負う主人公兄弟、特に弟のやんちゃぶりもさることながら、
その一味のクセの在り方が魅力的過ぎる。
特に首領格の朝倉清蔵。カッコいい〜〜!男!つーか粋つーか。
主人公一味の紅一点、百舌ちゃんも色気抜群。この人の絵柄は
迫力あるのに細やかで見応えあります。特に百舌の拷問シーン。
こういう凄惨なシーンや戦闘系アクションシーンは高橋ツトム
ならではの迫力で見事の一言。話の展開はそれほど早くはないが
圧倒的なスピード感を感じさせる場面毎の運びでリズムは抜群。
幕末動乱が部隊なので当然著名な方々も。
近藤・沖田・土方は結構いい。この人ならではのなよっぽくない
美形に描かれてる土方はいい!
桂もしっかり登場。でも単行本最新刊の最後でちょろっと登場の
高杉が…!まさに高杉の一般的なイメージって感じだ。
柄の着物で三味線片手に壁に寄っかかって片胡座。
しかもこれ焼討ち前なのに既に短髪…、なのはまぁどこでもそう
だから許されるとして。ああでも結構美形の部類に描かれてる。
史実に忠実ではないが史実好きならエンターテイメントとして
かなり楽しめちゃうと思う。ただ結構ばっさばっさ主要かと
思われる人物も切り捨てられてくので覚悟して読むべし。