誰でも聞けるドラマCDを少し。



純文の波にのった作品が立て続けに出てますが、個人的には大歓迎。
ばしばしやってもらいたいです。
声優から入ったとしてもフィルター付きでも原作まで手を伸ばす人は
確実にいるし、読めばそこは文学史に残る作品なのだから是非にしろ
何らかの感銘を受ける人がほとんどだろうし。





まず「蟹工船



フィルター通すなら中村さんに拍手です。
グラハムに近い演技。しかも1期の。
労働者側の反抗勢力のリーダーがぴったり。
正義感MAXで陰険な官憲から弱った仲間を庇い、決して屈さない熱い奴。
金髪の彼が拳振り上げて仲間の前で気鋭を上げてる姿が浮かぶ。北の海で。



作品は蟹工船の骨太な部分をよく浮き彫りにしていて、テンポがすごく早いので
色っぽい話や笑えるパートがなくても飽きずに聞き終えられます。



これを聞いて原作を読みたくなるかと聞かれると微妙です。
多分この熱血ぶりは音声ならではじゃないかな。
石田さんのやってる冷静なナンバー2がキャラの割に出番控えめ過ぎてもったいない。
蜂起して蟹工船を乗っ取りかけた直後に軍によって鎮圧とかその辺りは駆け足だった。





連動作品こころ



私=宮野さんだけど出番少なっ。プロローグとエピローグのみ。
速水さんの先生は文句は誰もつけられまいという演技。さすがに夏目漱石屈指の
作品を持ってきただけあって先生役選びは慎重だったのかな。
石田さんも勿論いいんだけどもっととにかく善良な声とかでもありかな。
三木さんの出鼻の紹介文が「遊び人で友人の吉岡(帝大生)」
笑えました。素敵。




役としては皆さんGJなのに内容が単なる昼メロに…。もっとK(石田さん)の悶々
とか静の強かさ、あるいは惚れる過程が欲しい。
先生のぐだぐたしてるように見えて決断即行動には頭が下がりますが。
夏目漱石屈指の有名作品だしこれは恐らく原作を読んでの印象とは随分違うんだ
ろう。
個人的には高得点でしたが。




三木さんの山月記は淡々としつつ演技の起伏があって普段キャラものとは
全く違うプロの腕を見た気がした。
原作未読のうちに聞いたので完全に把握はしてなかったけど
ちゃんと物語としての盛り上がりにはついていけました。



石田さんの雨月物語はぞっとする点で文字以上。
本領発揮のお声を堪能しました。こっちは原作を知った上だったので
入り込みやすかった。




宮澤賢治シリーズやふしぎ工房症候群はまたいつかメモっときたい。
2月発売される西洋童話集、絶対買います。