「石原莞爾―「満洲国」建国を演出した陸軍参謀」 楠木 誠一郎
  PHP文庫        780円



 これを「明治〜」というカテに入れていいものかどうか。
 いや明治以降っていやそうなんだけど。
 時々発生する需要のなさそうな記事ですみません。



 石原莞爾が好きですというと白い目で見られる事もある。
 でも好きだ。こういう端から見るとエキセントリックな天才。
 若い頃ていうか人生前半のエピが本当に小ネタ満載。
 ただし、本書はそういう楽しみ方には向かなかった…。
 小説形式だけど硬質過ぎる!もっと会話を楽しもうよ!


 主に満州事変ばかりを綴ってあるので石原の入門にはならない。
 でも関東軍でかなり花形な時代のことなので彼のスター性は
 垣間見れる。それと愚痴。頭の回転の早い人は必ず毒舌家。
 大変好みです。そんでしっかり心酔する相手もいるトコロがいい。


 小説を期待して読むとめっさ読みづらい本だけど、時系列なんかを
 見直す時には便利なんじゃないかな。でも満州事変のみだけど。
 もっと学生時代&226事件まで手を広げてくれたら。



 あ〜でもどうせなら会話が多くて心理描写の派手な作家さんがいい。
 幕末なら幾らでもあるのに近代に入ると途端に小説が少ない。
 石原なんて恰好の食材だと思うのだけどな。
 俺様・天才・栄達・左遷・局地的にメロる・理想主義、なんて
 ものっそ小説にしやすい方だと思うのだけど。敵役も魅力あるしね。