「新撰組の事情通になる!」  岳 真也
   PHP研究所        680円




 サブタイトル「マニアも知らないネタまで開陳
 人物、事件史、ウワサ話まで徹底取材 」ですが。


 読んで一言。
 「知ってんだよぉぉ!」


 まぁ、これまで散々幕末モノを読み漁ってきて、ここにきて
 わんさか知らなかったネタがあった方がショックだからいいか。
 試衛館から箱舘戦終結まで新撰組のコアの流れはさらっている
 ので京時代しか知らない人には他の時期を知るいい切っ掛けに
 なるかもしれない。


 焦点が市村や野村にも当ててくれるのは嬉しいけど、制服の
 浅葱色のワケとか沖田の恋バナとかを「マニアも知らない」
 と称した小ネタにするのは如何なものか。




 新撰組を扱った漫画として「風光る」「PEACE MAKER 鐵
 「るろうに剣心」を取り上げてるがこのチョイスは不満だ。
 風光るは史実をなぞりつつも女性主人公の少女漫画だし、
 ピスメはあまりにもオリジ要素強すぎて後半は原型がほぼない。
 そしてるろうに剣心に至ってはあれ明治10年以降の話じゃん。
 思いっきり幕末じゃないし。斎藤だけだし。沖田は回想だけだし。



 もっとあるのになぁ。個人的には管野さんの本。「凍鉄の花」
 はファンタジー過ぎるが「北走新撰組」は史実に結構忠実だし、
 黒鉄さんの「新撰組」も森田さんの「月明星稀」もそうだし、
 女性受け狙い過ぎとは思うけど「ひなたの狼」もピスメよりは
 新撰組モノとして正道だと思うが…。ピスメは別漫画として
 楽しんだ方がいいというのが個人的感想。



 その他にも新撰組にちなんだ「こんな土地あんな場所」みたいな
 章もあるのでこれはマニアではなく入門者にお勧めです。