京都の欠片 〜翠紅館〜







 坂本竜馬ら維新志士の墓がある史跡公園「維新の道」内、
 霊山歴史館へ続く坂道の途中に碑と立て札がある。




 西本願寺東山別院だった翠紅館は幕末には勤皇派の集会所
 として月性や梅田雲兵らも会合を開いていた場所。
 それよりなにより桂らの「翠紅館会議」の舞台。


 久坂や聞多や武市もここに集まった文久3年の6月に
 桂や真木和泉平井収二郎なんかを加えて行った会議。
 攘夷の具体案を話し合ったという事だけど、この僅か一月後
 には長州人400人弱が追い落とされる八・一八の政変が
 起こされるなんて夢にも思わなかったんだろうなぁ。



 ちなみに何故ここが攘夷系志士の溜まり場になったかと言うと
 西本願寺は皇族の桂宮淑子内親王の緊急の際の避難所と定めて
 あって、その別院である翠紅館には幕吏も容易には手が出せ
 なかったからだそうな。
 慶應3年の中岡慎太郎日譜にも訪問の記述がある。




 今は「京大和」という料亭。
 高級感溢れる雅やかなお店……らしい。
 一度くらいは行って見たいとは思うものの、ご立派な歴史背景に見合う
 格とお値段なのでそのような機会はそうそう巡ってこなそうだ。