■
京都の欠片 〜翠紅館〜
坂本竜馬ら維新志士の墓がある史跡公園「維新の道」内、
霊山歴史館へ続く坂道の途中に碑と立て札がある。
西本願寺東山別院だった翠紅館は幕末には勤皇派の集会所
として月性や梅田雲兵らも会合を開いていた場所。
それよりなにより桂らの「翠紅館会議」の舞台。
久坂や聞多や武市もここに集まった文久3年の6月に
桂や真木和泉、平井収二郎なんかを加えて行った会議。
攘夷の具体案を話し合ったという事だけど、この僅か一月後
には長州人400人弱が追い落とされる八・一八の政変が
起こされるなんて夢にも思わなかったんだろうなぁ。
ちなみに何故ここが攘夷系志士の溜まり場になったかと言うと
西本願寺は皇族の桂宮淑子内親王の緊急の際の避難所と定めて
あって、その別院である翠紅館には幕吏も容易には手が出せ
なかったからだそうな。
慶應3年の中岡慎太郎日譜にも訪問の記述がある。
今は「京大和」という料亭。
高級感溢れる雅やかなお店……らしい。
一度くらいは行って見たいとは思うものの、ご立派な歴史背景に見合う
格とお値段なのでそのような機会はそうそう巡ってこなそうだ。