英傑の日本史 新撰組・幕末編」      井沢 元彦
      角川書店         1575円




 幕末の英雄達を総おさらい。


 約300ページに67人を詰め込むという無茶をやってくれた。
 おかげで1人あたり3〜4ページしか割り当てがないので当然、
 ごくかる〜い説明になっている。メジャーな逸話のみ。



 人選もまぁ妥当なラインじゃないでしょうか。
 新撰組・幕末編なだけあって主な新撰組メンバーは包括。
 ただし京時代がのみなのでコアな後期メンバー好きには不満かも。
 山崎が入っているのはナイス。


 高杉・桂・西郷・坂本・島津斉彬松平春獄・山内容同・ペリー
 パークスなど、倒幕・佐幕、日本人・外国人関係ナシに載せて
 あるのでどちらかに知識の偏った人には全体を知るいい機会に
 なるんじゃないだろうか。


 ただし、ある程度幕末を知りえてる人には甚だ物足りない。
 歴史の教科書くらいでしか知らない、という人向け。




 誰かを華美に評価してはいないのでその点の贔屓はないのだけど、
 代わりにこの著者の「日本人という民族の欠点」という主観が
 思う様練りこまれているのが正直ウザい。



 “問題を先送りにし目の前を見ていない現代の日本人”
 これが一冊に満遍なく散りばめられているので、これが鼻につく
 人は読まないほうがいい。


 現代の政治家に対して不満極まれり、な人ならアリかな。
 誇示的には現代の政治事情批判に歴史を使って欲しくないので
 マイ評価は低め。