幕末学のみかた。」   アエラムック
  朝日新聞社     1102円




 歴史研究の専門家の方々が種々様々な切り口で幕末を語る。



 今、といってもこれが発行された当時だけど、どのような
 方向性で研究が為されているかが大変分かりやすく書かれてる。



 テーマが細かくて多い。
 なのでページ的にはそれぞれ2〜5ページくらいずつに
 纏められている。当然深い語り口にはなれない。
 だからこそ簡潔で理解し易いし、現代の通念と照らし合わせて
 くれているからよりリアルに想像できる。




 また意外な発見や今まで知らなかった当時の噂や風習も
 ちらほらあるのでかなりのめりこんでしまった。
 物語性ゼロの本は敬遠する人もいるとは思うけど、これはこれで
 掛け値なしに楽しめるし、後々小説を読む際の糧にもなりそう。


 もちろん小ネタもあり。
 元治元年に京で流行った「長州おはぎ」話は初耳だった。



 幕末の入門書としては最適。
 図書館で読むよりも古書店で買っちゃう方がお勧め。