■
「土方歳三 白の軌跡」
ビクターエンターテイメント 2362円
土方のドキュメンタリーアニメ。制作はSTUDIO4℃。
絵柄や動きはジブリちっく。笑い方とかが特に。
30分で全て纏め上げているのでさすがに駆け足過ぎるし
やや時系列がズレているところもあるが、それでも充分に
満足出きる演出だと思う。
流山以後もちゃんと見せ場はピックアップしてあるし、
土方の母と慕われた穏やかな面も見え隠れする。
お気に入りは伏見戦。
新政府軍の西洋式銃砲部隊を目の当たりにして、絶望するどころか
嬉しそうに「新しい喧嘩の始まりだ!」と真っ向斬りこむイカれっぷりと
銃を拾い上げて悠々ぶっ放した挙句その場でざっくり断髪しちゃう
鮮やかな覚悟がお見事。
「捨て石にだって武器はいるぜ」とこの時点で言い切らせる
辺りも個人的には好感が持てる。
終盤は一気に哀切感に訴えてくる。
宮古湾海戦で艦上から陸地に咲く梅を見る土方の姿には戦闘中だよねと
突っ込むのも野暮だと思わされます。切ない。
唯一気になるのは二股口の場面で新政府側のお偉いさんたち。
あれ誰だったのか…。新政府側の幹部のうち誰でも嫌だと感じる
ビジュアルだったんだよね。市ィはもちろん黒田でも嫌。
君鶴という花魁(北野の君菊といわれる)が大変艶やかで気風がいい。
この人とお琴で最後をシメているのは絶妙。映像ならではの良さだった。