見てしまった。
 そして見てください、皆様。
 出来が良かろうと悪かろうと関係ないです。
 幕末明治長州好きはとにかく見なきゃ!
 1時間59分の間長州弁に浸かろうよ!





 さて、それはもう突っ込みたい言っときたいことが溢れてる映画だが
 記事が長くなりすぎるのもどうかという事で2日に分けます。
 舞台挨拶と一般客との質疑応答とキャストについては明日に。
 今日はとにかく内容について触れとこう。ネタバレもありで。







 山尾センター取りは伊達じゃなかった。
 主人公・山尾庸三に偽りなし。ただし後半戦では。前半は聞多。
 いきなり始まった生麦事件ではしっかり女性が生き残ってて一安心。


 英国公使館焼討は果たしてこの映画に必要なエピソードだったのかと
 思う程さらっと流してくれました。高杉も象山もいる意味あったろうか。
 名前も呼ばれなかったが久坂もいましたけど、すき焼き食べて
 るだけだった。



 どうしてこの五人が英国に、という部分は色々解釈が違うのでこの映画
 ではこういうことなんだと割り切っていきます。
 ただ、聞多が渡航費用の捻出策を俊輔に知恵借りに来るのはどうかと。
 金策がお前のアイデンティティーじゃないのか聞多よ。



 イギリス渡航の際「ネイビー」と「ナビゲーション」を間違えたという
 小ネタはありませんでした。残念。あれ映像で見たかった。
 そうそう関係ないけどイギリスの船乗り達がやけに格好いい。海の男だ。
 ロンドン着後に文化の違いにいちいち驚くところや英語を教えてもらう
 時に全員床に正座してたりするのは面白い。興味の方向がそれぞれ違う
 方向を向いていたことも非常に分かり易く表してくれてる。



 何より勝がはしゃぎ好き、鉄道好き過ぎ、いっそこの人を主役にしてくれ。
 聞多と俊輔は周知の通り途中でリタイヤするがこの二人はそれきりロンドン
 からだけでなくスクリーンからも姿を消してくれた。
 勤助は発病して退場だが、とりあえず「紙幣に恋する青年」と印象はつくかな。



 四人と分かれてグラスゴーへ行ってからが山尾の本領発揮。と思いきや何と
 聾唖女性とのラブロマンスに発展してしまった…。
 くっ…、こうきたか…!
 確かに聾唖学校設立もあるけど!でも近代工学の父なんだからもっとあるだろ〜。





 ただ、この聾唖女性を通して英国を単なる文明の象徴、豊かな強国としてのみ
 描かずに下層階級の貧困にも触れていたのはお見事だった。
 ついでに山尾と勝を薩摩の留学組とほんの10分程度だが絡めてくれて良かった。
 そして終わり方は全く納得いかない。
 でもそういう事まで書いてよいものかわからないので割愛。




 …と不満が7割という感じで書いてしまってるけど定価以上支払っても全く後悔
 はしない。それどころか全国公開されたらもう一度見てしまうと思われる。
 舞台が幕末、主人公と周辺の人間が長州人、それだけでもうお腹いっぱいです。
 あふれ出る突っ込みだって愛ゆえですから。