疾走の志士 高杉晋作」  童門 冬ニ
  KKベストセラーズ 1680円



 まず、純粋な小説ではないです。
 作者の解説文と半々くらい?
 至るところに箇条書きで情勢のまとめや高杉の思考の流れがある。
 「箇条書き」というのがポイントで、まさかここまでハマる事を邪魔
 するものだとは思わなかった。全くノれない。



 それを差し引いても何と言うか高杉含めて全員が単純バカ。
 桂や久坂がこんな浅はかな思考してる筈はないだろう。特に久坂。
 高杉にしてもやたら子供っぽい論理展開をしてくれる。いっそ微笑ましい。
 知り始めではなく既に何冊か読んで基礎知識をつけた方が「も少し高杉
 主役のものが読みたいな〜」という時に読んでみるといいかもしれない。





 主に高杉が“本気でやる気”になる心内を書きたかったのか、野山獄投獄
 までがひたすら長く、その後にはあまりページを割いていない。
 功山寺決起を2行半で済ます高杉本は他にない。