高杉晋作」 三好 徹
 学陽書房 693円(文庫版)



 高杉晋作を知るにあたって、一番目か二番目に読むのにもってこい。
 これと後から紹介する「五稜郭を落とした男」を読めば必ず高杉にハマれます。


 とりあえず、長州の高杉への甘やかしは度を越えていることが分かる。
 藩主も世子も桂も久坂も。そして聞多と俊輔が高杉を好き過ぎる!
 高杉に「でかしたぞ。」と言われただけで「死んでもいい」とまではなかなか思えない。
 後の総理大臣とは思えない程の小物っぷりが素敵です。


 ただ、この本の高杉は破天荒な面ばかりではなく対峙してる相手の
 感情の機微を読んで言動を『やや』自制する部分も書かれているので
 鼻についたりはしない。
 更に高杉側も周囲の人間を掛け値なしに愛していたのが随処で読み取れて
 非常に微笑ましい一冊に仕上がってます。お勧め。


 高杉に限らず長州という藩への取っ掛かりとしてもいいかもしれない。