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「明治・青春の夢」 嶋岡 晨
朝日新聞社 古本で500円前後?
初期明治人の日記への突っ込み。
まずは人選に拍手!
岩崎弥太郎・植木枝盛・谷干城・片岡健吉・林有造・馬場辰猪・
田岡嶺雲・幸徳秋水。片岡と林、嶺雲と秋水はセットモノ。
これだけでも食指が動く面子なのに、序文と馬場の章では小野梓が
頻繁に引き出されていて著者を表彰したいくらい満足だった。
まぁ、馬場の日本学生会や共存同衆を語るのに梓ちゃん抜きは無理
でしょうけど。でも序文でも出てくるのだから贔屓を感じる。
梓ちゃんが他人の本に登場する時必ず出てくるのが官吏政談演説
禁止令の時のアレ。
「井上ギのこそくりなるべし」ってヤツ。
これだけ聞くとどんだけ犬猿なんだと言いたくなるが、実際当時
法制局長官の井上毅からしたら梓ちゃんをそんな目の敵にはして
なかったんだろうな、と思う。
まぁ、共存同衆は目の上のたんこぶみたく思っていたかもしれないけど。
章順ではないけどラブ度の差で馬場の章から言及。
挿話はまず代表的なものばかり。これはページ数上しょうがない。
明晰ゆえの偏狭さと先見ゆえの孤立を強く印象付ける書き方をしてる。
それでも著者は馬場をかなり高く買っていてくれていたと思う。
民権初期のきらきらした部分を担っていた人…らしいよ、馬場クン。
あまりに面白く読めた本なので2回に分けてご紹介。