「新撰組!!土方歳三最後の一日」   4442円



 期待以上のデキ!!
 五稜郭総攻撃前夜の一時。


 降伏を決めた箱館政府首脳に土方は異を唱える。
 榎本とタイマンで胸襟開いて語り合い、遅ればせ
 ながら互いの心の内に触れる。
 …という感じの話。




 大鳥が物凄い哀れな役回り。
 でも土方との模型を前にしての言い合いは終始
 押されっ放しとは言え、あれくらい時間を割く
 価値はあるほどには面白い。






 榎本と土方の仲は作者によって表層では好悪極端に
 分かれるけど、結構総じて芯では「あれはあれで」
 と認めていたりする。これも典型的にこのタイプ。


 でも土方の一度人を嫌うと心中はともかく態度では
 嫌いを貫いてしまう面がガキくさくていいなぁ。
 ていうか榎本が大人だ!いいヤツじゃん。


 こうなると大鳥がますます雑魚キャラに見える…。
 榎本と認めあった後に2人だけで軍議しちゃうし。




 ところがどんでん返しのように土方と和解。
 結局みんな運命共同体として手を取り合う蝦夷政府。
 やっぱりこうであって欲しい。北の僻地まで流れて
 きた同士なのだからここでの確執は欲しくないです。






 本流以外での感想としては、永井玄蕃(尚志)!
 伏兵のようにオイシイとこ取りしてくれたよ…。
 ここで諦めるなんて近藤になんて謝ればいいのか、
 と苦悶し徹底抗戦の後の戦死を望む土方に一言、


 「ごめんなさいでいいじゃないか」


 って…!
 ああ、三谷さんの書いた台詞かなぁ。
 だったらさすがだよな、と超印象的。
 そして箱館奉行の株上がりまくりました。




 そしてやっぱり守衛新撰組は土方に心酔している。
 これを強調した演出が見ていて気持ちいいくらい。
 土方の人気ぶりに安心できるし、希望が持てる。


 島田が野村並に我が侭系なのは意外だけど、
 土方に箱館から落とされて市街を抜ける鉄に
 「日野まで走りぬけろ!」と叫ぶのは感動的。
 でもムリだよ、と突っ込んでしまった自分が無粋だ。




 細かいところでは蟠竜が朝陽を撃沈したところを
 使っていて意表をつかれた。




 三谷さんのおかげか、土方の台詞が一々格好良い。
 榎本もイイ感じの台詞を吐いて下さるし。





 ドラマスペシャルなので色々制限もあるし仕方ないの
 だろうけれど、この面子で何故タロさんがいないのか。
 だって副総裁じゃん、松平太郎。どうしてハブ?
 それに守衛新撰組に安富や立川も入れて欲しかった…っ。




 評判は聞いていたのですが、予想以上に楽しめた。